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EC事業者は自社ECのインフラを自前で構築、管理する必要があるのか?

コスト高の一因ともなるEC事業者の自社インフラについて考えます。

「EC事業者は自社ECのインフラを自社で構築、管理する必要があるのか?」

メールや業務環境、Office製品など汎用的なものは今日クラウド上にあるサービスを利用するのが一般的になっています。 ECはどうでしょうか。ECという定型化された業務も、車輪の再発明の如く各社でインフラ構築を続ける必要はあるでしょうか?

EC業務特化型のクラウド(以後ECクラウド)として提供されたほうがEC事業者は嬉しいのではないでしょうか? この点を考えるために、観点を逆に変えます。逆にEC事業者は今日どのようなインフラを持たなくてはいけないでしょうか。

「EC事業者が自前でインフラを持つなら、どのようなインフラを持たなくてはいけないか?」

自前で持つサーバーなど必要な機器、ソフトウェアを検討します。

  • サーバー(WEBサーバー、DBサーバー)を持つ必要があります。
  • 自社データセンター、オンプレミスのデータセンターもしくはパブリッククラウドを利用します。
  • 自社データセンター、オンプレミスの場合、データセンターのラックが必要です。
  • 自社データセンター、オンプレミスの場合、ロードバランサーやサーバー筐体など物理的なデバイスが必要になります。
  • 自社データセンター、オンプレミスの場合、ソフトウェアのライセンス費用も必要です。

必要なコンピューターのリソースはどう考えるべきでしょうか。

  • サーバーのリソース(CPUやメモリやネットワーク帯域)は適切に維持され正常稼働を続ける必要があります。
  • サーバーの台数は、セールやメディアで特集された場合など、最大の負荷に備えて用意しておく必要があります。
  • サーバーは可用性を考慮して、1台落ちても問題ないように複数台で構成される必要があります。
  • パフォーマンスも同様で表示速度や、カートへの追加速度、購入の速度が適切な値である必要があります。
  • パフォーマンスのチューニングは稼働中に必要なケースが多くあります。
  • 売上やアクセスが増えることに対応して増強可能なインフラを設計しておく必要があります。
  • サーバーは本番環境だけではなくステージング環境(新機能の動作確認など)がある必要があります。
  • 数年に一度サーバーのリプレースを行う必要があります。(オンプレミスなら筐体から)
  • 月間100万PV以上など負荷がある場合は、CDNを入れる必要も出てきます。

運用で必要なことを検討します。

  • 24時間365日、サービス全体や各サーバーの状態を監視する必要があります。
  • 何をもって正常とみなすか、異常時にはどうするかルールを決める必要があります。
  • 各種ログ(システム、オペレーション)の保有が一定期間必要です。
  • ログはセキュアに管理され、一方調査用などに柔軟に取り出せる必要があります。
  • 定期的にシステム監査を受ける必要があります。
  • 障害時には各種状況の確認を行い、対応します。待機している人的なリソースが必要です。
  • オンプレミスのデータセンターの場合、機器故障があると長時間停止になりかねないため、機器を余分に用意しておく必要があります。

セキュリティで必要な対応を検討します。

  • サーバーの最新パッチが当たっている必要があります。
  • 付随してサーバーメンテナンス(停止、再起動)が必要になります。(深夜などのケースが多いです)
  • ネットワークのセキュリティが考慮されている必要があります。(専用線、VPN、IP制限、各種認証)
  • サーバーへのアクセス可能な場所と人が限られている必要があります。
  • WAFや侵入検知ツールを用い、対策する必要があります。
  • インフラ(OS、ミドルウェア、暗号化方式)が持つ脆弱性への対応。
  • アプリケーションが持つ脆弱性(SQLインジェクション等)への対応。

DevOps

  • 各種自動化(ビルド、デプロイ)
  • アプリケーションの改修を随時反映するような運用体制
  • 1日に複数回任意のアプリケーションをデプロイしたり、問題があった場合に切り戻ししたりなど。

要望の概要レベルでもかなり高度なものが要求されるのが、わかります。 上記のようなインフラを手に入れるには、多くの労力とコストを必要とします。また、単に手に入れるだけではなく 時代に追従していく必要があります。昨今だとDevOpsと言われる開発と運用のコラボレーションが注目されています。 自社ECが抱える課題をいかに短期間で改善していけるかという原動力に大きく影響するためです。

やはり、EC業務特化型のクラウド(以後ECクラウド)として提供されたほうがEC事業者は嬉しいのではないでしょうか?

「自社ECのインフラを持たないと、EC事業者にどんなメリットがあるのか?」

インフラをECクラウドに任せることで、EC事業者は、自社のEC業務のみに専念できるようになると考えます。 ECクラウドを利用した際のメリットを記載します。

1.サーバー費用の削減

通常サーバーを用意する場合、サービス繁忙期の最大負荷に備える必要がありますが、そういったリソースプランニングは ECクラウド側で実施します。EC事業者の方でサーバーを用意する必要はありません。 ※Commerble EC PaaSでは、サーバー費用は1受注毎に発生するトランザクション料金(料金形態については、こちら)に含まれます。

2.CDN費用の削減

ECサイトを高速に表示させる為には、CDNの利用が必要です。CDN導入に際しては高額なコストがかかるケースが多くあります。 CDNについてもECクラウド側で包括的に用意すれば、EC事業者側のコスト負担が軽減されます。

3.システム運用管理が不要に

システムを継続的に運用するには、監視やサーバーやソフトウェアのアップデート、セキュリティ対応など各種作業が必要になります。 これらの対応はECクラウド側で行いますので、EC事業者側での各種負担がなくなります。

4.人的コストの削減

システム運用には人的コストが付随しますが、インフラをECクラウド側に任せることによって大きく削減が見込めます。

5.非機能要件対応コストの削減

非機能要件はEC構築において、大きなコストをもたらすケースが多くあります。

例えばパフォーマンスに問題があった場合、サーバーの増強やアプリケーションの作り替えが必要になります。 ECクラウドのプラットフォームにおいては、ECクラウド側がパフォーマンスを担保します。 速度に悩まなくてよいのは、EC運用においてメリットが非常に大きいと思われます。

可用性、安定性についても、落ちない、止まらないECを作るというのは技術を必要とします。 この部分についてもECクラウド側に任せることによって、EC事業者側で問題を抱える必要がなくなります。

「データの性質や運用ルールで自社で持つ必要のあるサーバーやデータもあるのでは?」

例えば、個人情報や認証情報は社外に置きたくないという要望があります。このように どうしても自社管理したいインフラは、必要な部分だけ持ち、ECクラウド側と連携すればよいでしょう。 特定のデータをどうしても自社データセンターに保持したかったり、特定のシステムと連携する必要がある場合などだけ自社でインフラを持てば良く、 その連携を安全に提供すれば良いと考えます。参考までに弊社での事例を記載します。

クラウドシフトが主流に

2015年を契機に多くのシステムが、クラウドへの移行、リプレースを前提に計画されるようになっています。

これはECにおいても例外ではありません。EC構築をするのにまずクラウドを検討するというのは基本になりました。 既にあるインフラを利用するのも一手かもしれません。 EC業務特化型のクラウド(以後ECクラウド)として提供されたほうがEC事業者は嬉しいのではないでしょうか?

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